チャオ!ぬまるくん。久しぶりだね!
チャオ!タカアキ先生。お久しぶりです!今日もよろしくお願いします!
今日はどんな話をしようか?
そうですね。これまで、「ミツバチがどうしてはちみつを作るのか?」という昆虫としての性質のお話から、だんだんとミツバチと人との関係へと話が展開していきましたよね。
うんうん、そうだったね。
その中で、「特にセイヨウミツバチは昔から人間の元で飼い慣らされてきた社会性のある昆虫」と仰っていましたが、実際にどのくらい前から養蜂というのはあるんですか?
オッケー!じゃあ、今日は養蜂の歴史の話をしようね。ぬまるくんのイメージだと、どのくらい昔から人はミツバチを飼い出したと思う?
えー、どうなんでしょう。全然分かんないな。。セイヨウミツバチって言うくらいだから、ヨーロッパあたりが発祥でしょうか?そうすると高度な文明が発達したイメージのあるローマ帝国時代くらいとかでしょうか?
ローマ帝国って言っても長いけど、だいたい2千年前くらいのイメージかな?
そうですね。紀元前ってことはないような・・・
ふふふ、それが実はね、紀元前数千年頃には養蜂が世界各地で別々に始まったと言われているんだよ。
えっ!そんなに昔から!!
そうなんだよ。すごいでしょ!でもその話の前に、養蜂が行われるもっと前の話をしておこうね。
養蜂が行われる前というと、どういうことですか?
つまり、ミツバチを飼育してはちみつを集める前だね。それまでは人間ははちみつを食べていなかったかというとそういう訳ではないんだ。だってあんな甘い蜜が野生にあったら、野生のクマなんかと同じように人間だって食べたくなるよね?
あ、絶対そうですね!ハチには刺されるけど!
そうだね(笑)つまり、養蜂が始まるもっと前から人間は野生のミツバチの巣を壊してはちみつを採っていたんだ。
なるほど。まさにクマさんと同じですね。その頃はまだミツバチという野生昆虫との戦いというか、まさに収奪だったんですね!
そうそう。だから、長い間、ミツバチたちにとって人間は天敵だったんじゃないかな。 紀元前6000年頃、つまり今から8000年前頃にスペイン東部にあるアラニア洞窟というところに描かれた壁画には、野生のミツバチの巣から蜂蜜を採取している女性の姿が描かれているんだよ。
周りに蜂が群がっているのも描かれていますね。そんなに昔から人ははちみつを食べていたんですね。
太古の昔から、人間にとって甘いはちみつは蜂に刺されても手に入れたい、それだけ魅力的なものだったということだね。
そうすると、だんだんとより効率的に安全にはちみつを手に入れたくなるのが人情ですね。
そうだね。そうして起こったのが、現代に繋がっていくような、ミツバチを飼育しながらはちみつのお裾分けをいただいていく、いわゆる「養蜂」だね。
養蜂の起こりはどのあたりの地域なんですか?
すごく昔のことだから研究中のことも多いけど、養蜂の発祥は古代エジプトということが今は定説になっているね。紀元前3000年頃のエジプトの壁画には、ミツバチの巣箱をつくり、蜂蜜を採取、保存する様子が描かれているんだよ。
そうなんですね!古代エジプトとはロマンがありますね。
うん。そしてこの頃から養蜂は世界各地で始まってるんだ。南米のマヤ人はヨーロッパ人が入ってくるまで在来種の蜂を数千年間飼っていたといわれているし、エジプトで養蜂が始まって1500年後には中国でもミツバチが飼育されていたようだね。
なるほど〜。紀元前数千年のエジプトから始まった技術が、ヨーロッパ、そして世界各地に広がっていることを考えると壮大な歴史を感じます。
海外での養蜂の起こりは理解できたのですが、日本だといつ頃から始まるんですか?
日本に養蜂的な記録が残っているのは「日本書紀」が最古のものになるんだ。大化の改新前の642年頃の「百済の太子余豊、蜜蜂の房四枚をもって三輪山に放ち、養う。しかれどもついに蕃息(うまわ)らず」 という記載で、「百済の太子が奈良の三輪山で養蜂を試みたけれど失敗に終わった」という記録で、これが日本における養蜂のはじめだというのが通説になっているんだ。
日本書紀の時代からなんですね!
はちみつは平安時代には宮中への献上品でもあったようだから、当時は非常に貴重なものであったことが想像できるね。江戸時代には巣箱を使った養蜂が始まったようだけど、当時は採取に時間のかかる二ホンミツバチでの養蜂が行われていたんだ。
江戸時代までは、やはりニホンミツバチでの養蜂だったんですね。
そうだね。日本では長い間、トウヨウミツバチの亜種で在来種の二ホンミツバチが生息していたんだけれど、1877年にアメリカからセイヨウミツバチが輸入されたんだ。そして、非常に飼育しやすいセイヨウミツバチを使った養蜂が、輸入から10数年後には日本全土にじわじわと広がり始める。それはね、はちみつの採蜜量や質が向上することがわかったからなんだ。
どうして収量や品質が向上したんですか?
それまでの養蜂では、はちみつを採るためにはどうしても巣を壊す必要があり、その結果ミツバチを興奮させて大量に殺してしまわざるを得ない方法しかなかったんだ。
なるほど。
ところが、明治時代に日本にセイヨウミツバチが輸入される少し前の1852年に、アメリカの聖職者でもある養蜂家ラングストロース氏が、大きな木箱の中に何枚もの取り出し可能な巣枠を並べた画期的な養蜂巣箱を開発したんだ。
あっ、つまり今、よく見るかたちの巣箱ですね!
そうそう。さらにそれから間もなくオーストリアで遠心分離機を使って採蜜する方法が考案されて、採蜜のために巣を壊さなくとも、しかもミツバチも殺さず蜂蜜を採ることができるようになったんだ!その結果、採蜜量が飛躍的に増え、蜜質も良くなったというわけ。
なるほど〜。江戸時代までは僅かしか採れなかったはちみつが、明治になってセイヨウミツバチとともに海外の手法や道具が入ってきたことで、ある程度沢山採れるようになったんですね。
そうだね。明治政府がこの近代養蜂を産業振興のひとつとして後押ししたことも大きいね。より養蜂に適した生産性の高いセイヨウミツバチが輸入されたことで、新しい産業として定着していって、はちみつそのものも一般家庭に広く普及することができるようになったんだ。
今、僕たちがこうやっていつでも気軽にはちみつを食べられるのも、このような長い歴史があったからなんですね〜。
そうだね。一方で、ミツバチたちにとっても、人や獣に収奪されていた時代を経て、だんだん家畜のように人間に飼われるようになり、ある意味人間と共存することで世界に生息範囲を広めてきたとも言えるかもしれないね。そんな養蜂の現状と課題について、次回はお話しようかな。
今回もとっても勉強になりました。次回もよろしくお願いします!
〜♪
お、彩子さん、何か作ってるんですか?
あ、見つかっちゃいましたか。実は、来月のバレンタインのチョコの試作品を作ってるんです。
バレンタインのチョコ!?ひょっとして、僕のための…?
もちろん!…と言いたいところですが、タカアキさんへのプレゼントなんです。あ、ぬまるさん!もしよかったら試食をしてもらえませんか?
喜んで〜!
はちみつチョコレート
それぞれ直径10円玉サイズ15個程度の分量です。
◆スタンダード(ダークチョコ)
<材料>
カカオパウダー 大さじ5
はちみつ 大さじ2
水 大さじ1.5
カカオパウダー(適量、トッピング用)
<作り方>
1.ボールに材料を全て入れ、粉っぽさが無くなるまでよく練り混ぜる
2.適量を手に取り、掌で転がしながら丸く形を整える
3.カカオパウダーをまぶして全体をコーティングできたら完成
◆くるみミルク
<材料>
カカオパウダー 大さじ5
はちみつ 大さじ2
牛乳 大さじ1.5
くるみ 10粒程度
カカオパウダー(適量、トッピング用)
<作り方>
1.くるみは潰し過ぎない程度に砕いておく
2.ボールに材料を全て入れ、粉っぽさが無くなるまでよく練り混ぜる
3.適量を手に取り、掌で転がしながら丸く形を整える
4.カカオパウダーをまぶして全体をコーティングできたら完成
◆ラムレーズン
<材料>
カカオパウダー 大さじ5
はちみつ 大さじ2
水 大さじ1
ラム酒 大さじ1/2
レーズン お好みの量
パウダーシュガー(適量、トッピング用)
<作り方>
1.レーズンを細かく切る
2.ボールに材料を全て入れ、粉っぽさが無くなるまでよく練り混ぜる
3.適量を手に取り、掌で転がしながら丸く形を整える
4.パウダーシュガーをまぶして全体をコーティングできたら完成
※動画ではパウダーシュガーを使用していますが、パウダーシュガーは時間が経つとチョコの湿気を吸って見た目が悪くなってきます。ギフトにする場合はカカオパウダーの方がおすすめです!
しっとりして濃厚!優しい甘さが身に染みます…。
カカオパウダーにはポリフェノールが豊富に含まれていて、生活習慣病予防などさまざまな健康効果が期待できるんです。カカオパウダーがない場合はココアパウダーでも作れますよ♪